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ちょっとマイノリティ
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いつも気付けば少数派・・・  by宮上修二

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西へ東へ
西へ東へ・・・といってもミスチルの歌のことではありません。
西は西行、東は東行、のことを言いたいのだ。

今日あたり尾鷲ではちょうど桜が満開。
桜の季節といえば、どうしても西行法師を思い浮かべる。
(決してボーズめくりの蝉丸法師とのジョーカー・ツートップなどと言ってはいけません!)
昨日、知り合いの本木さんがブログで京都の西行桜を見てきたなどと書いていたので、話を聞きたくて電話したけど忙しいらしい。これはこれでまたの機会にうかがうとしよう。
ところで有名な西行の歌、

「願はくは花の下にて春死なん、そのきさらぎの望月のころ」

にはちょっとヤラれる。これ言われたらのちの歌人は困るよなあ。そして言葉どおりに逝ったのだからかなわんだろうね。ヤラれたひとりが藤原定家だったりするから影響力大。

この西行さん、もともとは朝廷を守る北面の武士。まあ武士のエリートなわけだ。
そんな立場で天皇の奥さんに横恋慕の上、泣いてすがる子をはね飛ばして出家したというんだから、詩人の王道はいってますね。時の権力、平家だろうが源氏だろうがもう怖いものなし。

同僚に文覚という、同僚の妻に横恋慕のあげく殺してしまいそのこうべを抱いて出奔したという、より凄まじい人物がいるからまだおとなしいくらいか。もしかして流行だったのか?あるいは今と変わらず他人の妻はよく見えるのか?いずれにしても横恋慕度は高率である。
だいじょうぶか北面の武士、っていうか大丈夫じゃなかったから源平の戦いが起こったわけか。

時代は下って幕末、これも動乱期。西行を愛し、東行と号し、
「西へ行く人を慕うて東行く我が心をば神や知るらむ」
と詠った志士がいた。長州の高杉晋作である。
この東行などと号するひねくれ具合がなんともよい。西郷や竜馬にはまずない魅力だ。
この高杉が作ったとされる都都逸が

「三千世界の烏を殺し、ぬしと朝寝がしてみたい。」

シンガーソングライターですよ、しかもセレブで志士ですよ。コレ言われたら女性は困りますよね。しかも辞世の句が
「おもしろきこともなき世をおもしろく」
っていうからヤラれる。

享年は西行法師が73歳、高杉晋作が27歳。
長いか、短いか、・・・

桜は幹太く、枝たおやかに、花はぱっと咲いて散る。
西へ東へ_f0160479_1424135.jpg
by minority-m | 2008-04-04 01:20 | 身辺雑記